悪夢の季節

 
押し寄せる何万もの傍若無人なる人 人 人の群れ
必死の思いで積み上げた商品を 三途の川の鬼の如く笑顔で何度も崩してゆく
 
瞬く間に阿鼻叫喚の最中へと我を押し込み たとえ泣き叫ぼうとも声は届かない
 
 
食事もとれず
休む事も出来ず
顔を顰める事すら許されず
 
 
疲労困憊し倒れる者は後を絶たない
やがて意識は混濁し 記憶すら失われる
 
 
それが、百貨店従業員のクリスマス…
 
 
そして25日22時 閉店時刻
戦いは終わらない
 
 
「野郎共!正月用の飾り付け始めるぞ!」