あの、くすんだ濃緑は記憶の中に。

mongkang2006-02-26

 
東京駅から姿消す湘南色 東海道線、半世紀の歴史

『オレンジと緑のツートンカラーが特徴の「113系」電車が今春、発祥の地である東京駅から姿を消す。
国鉄時代の1950年に車体塗装の先駆けとして東海道線に登場して以来、半世紀以上にわたり沿線風景に溶け込んだ「湘南カラー」は3月半ば以降、すべてステンレス製車両に代わる。
 
 この塗り分けは、中長距離では初の電車として東京−沼津間で運行を始めた「80系」電車で採用されたのが始まり。地味な茶色が当たり前だった当時、目にも鮮やかな配色は国民の戦後復興に向けた期待にもつながり、話題を呼んだ。
 
 色の由来についてJR関係者は「警戒色のオレンジとその補色の緑と聞いている」と話すが、ファンの間では車窓の風景から「ミカンと葉の色」と言われてきた。』

 
共同通信) - 2月25日8時7分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060225-00000028-kyodo-soci
 
 
最初に書いておきます。今回は鉄道に興味有る方以外はやや置いてけ堀です。
 
湘南電車が登場したのは1950年。EF58型機関車に良く似た流線型フォルムの80系電車でした。
元々湘南電車という呼び名は無かったのですが、運用開始当時あまりにも故障が多く「遭難電車」をもじって湘南電車と呼ばれる様になったらしいです。
 
そして湘南色の代表といえば111系電車。写真の113系と殆ど見分けはつきませんが、前面ライトの大きいタイプの通称「デカライ(デカ目)」は111・113系の初期型です。
1962年から東京〜静岡間を走り、2001年に全車廃車となるまで実に39年もの間日本国津々浦々を走り続けた名車でした。
 
まだ幼い頃に、鉄道撮影ポイントとしてはあまりにも有名な根府川鉄橋でブルトレ*1通過を待つ身には鬱陶しく感じたものですが、あの野暮ったい緑とオレンジのツートンカラーを、もう東京で見る事も無いのだな と思うといくばくかの寂寥を禁じ得ません。
 
そういえば東京駅や上野駅でホームから身を乗り出す様にして特急列車を追いかける子供の姿も、いつしか殆ど見掛ける事も無くなりました。
私と共に上野駅5:38着・臨時特急「新雪」を撮影すべく冬の最中に始発「湘南一番電車」で東京へと急いだ彼も、今はもうこの世に亡く。
 
湘南電車の最後のその姿をカメラに収めて、彼の墓前に捧げたいと思います。
 

*1:ブルートレイン寝台特急客車の総称。車体の青色からこの名が付いた