怪作・流星人間ゾーン

mongkang2005-12-02

 
『 地球から遠く離れた大宇宙、平和の星ピースランド。その平和も悪魔の星ガロガの野望に一瞬にして破られた。ピースランド壊滅!
 
安住の地を失ったピースランド星人たちはファミリーごとにパンドラカプセルに乗り、平和の星を求めて流星人間となったのだ。
一方、地球を第二の征服目標にしたガロガは宇宙要塞を建設し、恐獣ミサイルが地球を狙った。
 
彼等を乗せたカプセルの1ファミリーだけが地球に漂着し、彼らは新地球人としてガロガ星人と対決した。そのファミリーの名は「流 星 人 間」… 』
 
 
という非常に判り易いナレーションで始まる特撮テレビドラマ、それが特撮史に残る怪作「流星人間ゾーン」。
1973年4月2日から同年9月24日に渡って日本テレビ系で放送された。制作は東宝
 
この作品の魅力はまず、音楽の素晴しさ。
全盛期の子門真人節がOP主題歌で早くも炸裂します。この曲目当てで子門真人ヴォーカルコンピレーション SONGS FOR HEROESというCD買った位の完成度ですよ。
 
字幕で「りゅせいにんげんゾーン」とかいてあることなんかまったくきになりませんとも(棒読み)
 
肝心の本編の特徴といえば、巨大ヒーロー・ゾーンのピンチにゴジラが助けに来たりします。敵ではキングギドラガイガンも出演。
同じ東宝作品でという事でしたが、安易な視聴率up作戦でゴジラの質を落とした、と言われる始末。蒼々たる顔ぶれのスタッフが揃っていた割に評価は散々でした。
 
 
またヒーロー特撮に有るまじきファイトシーンもその魅力を無駄に増幅しております。
 
「ゾーンマーカー チェンジ!」
の掛け声と共にゾーンの額からカラータイマー*1がポロリと落下。
そこへ味方のジェットから予備のカラータイマーが発射され交換。
(おいおい反則だろ、これじゃ不死身だよ)
 
ナレーション「エネルギーを補給したファイターは元気百倍となり、
第一の作戦を開始した。それは輪投げの三回戦勝負であった!」
(輪投げが…作戦?)
 
地球存亡を掛けて怪獣と輪投げ勝負!
どう見ても外れてる輪投げを「入った」とジェスチャーし、怪獣が怒って暴れる隙に光線技で奇襲。
(ヒーローのくせになんて卑怯な)
 
飛び出た目ン玉を掴んで引き千切り、怪獣が視力を失ったところで「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」
最後は背後から手と首を 捥ぎ取って惨殺。
(うわ…こわ…コイツ極悪やん)
 
()内は当時幼稚園児だった私の率直な感想です。
 
木の棒でフェンシングとか、ジャンケンで闘ったりした事も有ったり。
そんな子供騙しの演出と思いきや、すかさず良い子のみんなを失意のずんどこに叩き落す残虐映像。
またこの怪獣がグロテスクで…
 
  
ただ、必殺技は見ごたえアリでした。
「流星・ミサイルマイト!」
のナレーションと共に両手首にガトリング型のミサイルランチャーが装着。
片膝付いて、片腕を怪獣の方に向けるとアップで無数のダイナマイトミサイルが発射(同画面で×3)
怪獣は木っ端微塵に爆発。
 
円谷プロの光線技が王道と言われていた最中に堂々と火薬系の技を最大の必殺技にしたのは「流石東宝」。
例えそれが、作画合成にかかるコストを抑える為の策だったとしても、それは胸の中の宝箱にそっとしまっておきましょう。
 
他にも怪獣を抱きかかえて自爆し、自分だけ再生するという荒業*2を使ったりする割には、ピンチになるとすぐゴジラに頼ったり…
色々な意味で確かにゾーンは「すごいアイツ」*3でした。
 
そんなこんなで未完結 26話で放送打ち切りになっても、少なくとも私の心の中でその魅力は色褪せる事無く輝き続けております。
 
NN 流星人間@文観・筆。
 

*1:どうみても豆球です。本当にありg(ry

*2:後にウルトラマンタロウで「ウルトラダイナマイト」という同様の技も使われた。 体内のエネルギーを暴走させ敵に抱きついて爆発する。

*3:OP主題歌で「次元を裂いて飛んでくる すごいアイツ」というフレーズが。