TIPS:平成18年、都会の片隅で 〜ひぐらしのなく頃に〜
……いつからだろう。
こんなに涙脆くなってしまったのは。
こんな、ゲームという名のよく出来た作り話を読んで、止まらぬ涙を流しながら思う。
ハッピーエンドが嫌いだった。
現実の世界において、それを迎える人の数はあまりにも少なく、まあ6割方はいいとこノーマルエンド、
残り3割がバッドエンドといったところ。
ハッピーエンドを夢見る人がそれを語れば、
「は。あんたもつくづくドリーマーだねえ。うんうん」
と頷きながら頭をよしよし、と撫でてやる。
そんな奴だった筈だ。
こんなに純粋に、おとぎ話の中の登場人物の不幸を嘆くような人間ではなかった筈。
スピーカーから淡々と流れる、ひぐらしの鳴き声を聞きながら、どこかで選択肢を誤ってしまったのかも知れないな、などとありもしない考えに浸る。
まだ幼かった頃、日が暮れるまで何も考えずに遊んだ時の事をふと思う。
昭和54年のひぐらしは赤羽根山のふもとで、私の帰宅時間を告げる為に毎日鳴いていた。
『もう遊びの時間はおしまいだよ』
その声は弱弱しく、寂しく、悲しげな旋律を奏でながらも、山のてっぺんまでしっかりとした響きをもって聞こえてくるのだ。
あの頃に戻りたい、などと陳腐なことは微塵も思わないが、たまには幼かった頃の自分を顧みるのも悪くない。
人生に選択肢がないことなど、考えすらしなかったあの頃を。
やがて空想に塗れた時間は終わりを告げ、私は机上一面に書類を広げて仕事へと思考を移した。
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『ひぐらしのなく頃に・暇潰し編』に言い知れぬ怖ろしさと、悲しさと、やりきれなさを感じ、感想代わりに下手なTIPSなぞ書いてみました。梨花ちゃん風味に、ちょっぴり詩音を隠し味(どこが?)。
勿論とっくに『ひぐらし〜・解』も終わらせているのだけど、何故か私の心の琴線に触れたのがこの「暇潰し編」だったのです。
「罪滅し編」「皆殺し編」とか「綿流し編〜目明し編」に激しく心揺さぶられるのがフツーなんだろうけどね…。
ってPC版『ひぐらし〜』やってるか、せめてひぐらしアニメ見てる人でないとなんの事やらサパーリですね。
アニメは物語の端折り方が物凄いので、はっきり言ってしまうと出来はあまり良くないです。
なんつーか典型的な、原作の良さを生かしきれていない作品。
んでも一応、導入部だけでもようつべで紹介しときましょう。(PC ONLY)
あ、ダークな気分になりたくない方は見ない方が…
鬼隠し編・第一話
http://youtube.com/watch?v=OmPwlhCouMA&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=QJR9CCBbFYs&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=5TK3QcPBq9A&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
第二話
http://youtube.com/watch?v=wi5m6BG0SRw&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=Y8XfcWInOak&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=mBeovHjh_kY&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
第三話
http://youtube.com/watch?v=mT8iD2Nmy14&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=yas7kT6C3Ek&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=LWN9BAKI-qo&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
第四話
http://youtube.com/watch?v=3Q56ZZSBWzk&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=I1JfSafcXlg&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
http://youtube.com/watch?v=9KeliCQ4UMA&search=Higurashi%20no%20naku%20koro%20ni
そしてなんの事やら判らぬままに続く。
多分、続いた先もピンスポットで読者限定っぽい。