男と女の間には 深くて暗い河があり…
誤解を恐れずに言えば…何を今更。誤解される様な事なんかもう何一つ残ってないだろ、というツッコミはひとまず置いといて…
「百合」が好きなのです。
その昔『百合姉妹』という雑誌が、マガジン・マガジンというその筋では有名な出版社*1から発刊されていたのですがあっさりと廃刊になってしまい、百合の道もこれまでか と思いきや一迅社が引継ぎをして『コミック百合姫』と名を変えて２年程前にひっそりと創刊されたのです。
これが中々に面白い。
その中でも注目株だった乙ひよりさんの『かわいいあなた』。
単行本化されたのが気になって買ってしまいました。
読んでみるとなんつーか、「今の俺様、世界で一番キモイ顔してるｗｗｗ」て感じ。
目覚めアリ、失恋アリ、ほのぼのアリ、コンプレックスアリ、天然アリで飽きさせない。
『マリ見て』とも『百合星人ナオコサン』のともまた違ったニヤニヤと寂しさを存分に楽しめました。
なんだろうね。ちょっと身近な異世界感？ 全くの部外者だからこその楽しみ方であるのは確かなんだろうけど。
そして実は「薔薇」もモノによっては嫌いではない。モノと言ってもサイズがどうとかいう話ではありません。
流石にハードなＢＬは躊躇なく読み飛ばします。
(勿論諸説ありますが、ここでは仮にＢＬ・レズ＝性行為アリ 薔薇・百合＝性行為ナシ という観点で話を進めます)
あんなにも不要だと思っていた「朝チュン*2」がＢＬではこんなに有益だと感じるとは。イヤハヤ南友。
♂×♂では即物的行為を嫌がる癖に、♀×♀ならまあそれもアリか、と思ってしまうのは読み手が♂だという事実に起因している訳で。
つまり一般的にはＢＬやレズは非現実性を欲し、薔薇や百合はリアリティを欲した結果ではないか、と考えるのです。
♂の私にとってはレズも百合もファンタジー的な色合いを多く占めるのに対し、ＢＬはどうしても生々しい側面が際立ってしまう。
薔薇はといえば…現実と非現実の境目といったところでしょうか。
以前書いた『まほろ駅前 多田便利軒』の読後感にも何やら通ずるものがあります。ノンケとしては薔薇度はライトであればある程良い。
いかんせん薔薇は即物的になりがちなんだよねえ。
百合の花言葉「純潔」に対して薔薇の花言葉が「情熱」であるのはその象徴なのか？
まあ、百合だろうが薔薇であろうが部外者だからこその楽しみが可能なジャンルではある。
その意味では腐女子はその最たるものと言えよう。
そして腐女子の「三次元のホモは受け付けない」という発言こそが肝なのではないか、と思う。
そんな、嗜好に節操の無いおっさんの夏。
