スイーツ(笑)の真髄に迫る

 

スイーツ(笑) またはスィーツ(笑) とは、女性誌・女性向けファッション雑誌に多く見受けられる浅薄なキャッチコピー(煽り文句)を笑ったり、またはそういったマーケティング戦略に自覚も無いまま過度に踊らされたり、軽薄な行動を行う女性を揶揄して表現したインターネットスラング
女性の強欲さやふしだらさ、自己中心的さやメディアリテラシーの無さを嘲笑する際や、一見オシャレそうなキャッチコピーで流行を煽る女性誌を冷笑する際などにも用いられる。
 
例えば、中高生の間で流行しているケータイ小説自体または、ケータイ小説に感動、共感するといった行為に対して、ケータイ小説の文章を稚拙と考えるインターネット利用者によって「スイーツ(笑)」のように使われる。
 
また、間投詞的に用いて文章全体を揶揄する用法もある。以下に例を示す。
 
私さー、『恋空』観に行ったんだけど凄い泣けたよ。
私さー、『恋空』観に行ったんだけど凄い泣けたよ。スイーツ(笑)
 
いずれにしても、相手を揶揄・嘲笑する意味合いが強いので、使用の際には注意が必要である。
 
2007年12月14日には、2ちゃんねる検索を運営する未来検索ブラジルが主催するネット流行語大賞2007において、「スイーツ(笑)」が銀賞に選ばれた。

 
Wikipediaより抜粋。
 
 
筋金入りの甘党としてはこの昨今の「スイーツ(笑)」という表現には少なからず憤りを感じてしまう訳だ。本来、甘味としてのスイーツには何の落ち度もないというのに。
こう徒に貶められては、おちおち高野フルーツパーラーの『 紅ほっぺ苺のミルフィーユ 』も食ってられんわ。
 
で、本来のスイーツの復権を図るべく、甘味絡みでスイーツ(笑)の真髄に迫ってみる事にした。
選んだ題材はコレ。


 
 
※ 何かの間違いでこの小説で検索して来ちゃった方は、以下激しくネタバレ注意。
 
 
まかり間違って書名検索で引っ掛かって来たりしない様に題名は敢えて書きません。
が、もう表紙からしてかなり難易度高い。正直、買ってから読むまでに1ヶ月の心の準備期間が必要でした。
 
あらすじ
 

アマミリサコ、27歳。お菓子大好き、職業、デパガ。
スーパー天然娘。だけど、「寿退社」ねらってます!
☆スイーツのように甘くてキュートな、スーパーハイテンション小説☆

 
これ以外に説明不要。この小説のあらすじとして充分です。
何しろ著者本人の説明がこれqあwせdrftgyふじこlp
 
 
主人公は老舗デパートのエレベーターガールですが、頭の中には脳ではなくスイーツ脳(笑)がみっしり詰まってます。自分らしさを演出(笑)したワーキングビューティー(笑)ですよ。

そんな彼女はしょっぱなから、昼の休憩時間が1秒でも惜しいばかりに運搬用の台車で高速移動を試みます。
十数年販売業やってますがこんなおバカさんには一度もお目にかかった事はありません。
 
そしてバカのお約束として、止め方を知りません。
 

「たぁ、助け」
ごんごろごろごろがらがらら−
すんごい高速。
なになにこれ?
ちょっとまずいんじゃないの?
いやっ、ちょー
どっかーん、がらがらがっしゃあん。

 
 
売れ筋完売必至商品の苺ケーキ50個に頭から突っ込みます。
ここでスイーツ(笑)脳炸裂の一言。
 
 

「なにこれ、美味しぃいー!」

 
はい、今年の日本バカ・オブ・ザ・イヤー早くも決定しました。
 
 
ここまででまだ序二段くらい。
エレベーターに乗ってきたお客様からマカロンの味を聞き出し (仕事中です)
制服のまま試食 (休憩中ですが就業時間内です)
休憩後、エレベーター乗ってきたお客様にマカロンの買い置きを頼む (仕事中な上に公私混同です)
 
それがお局様の耳に入り、当然の様に説教喰らいます。
ですがそんな事で暴走列車は思考停止などする筈もなく。
 

「今回の処分は重いかもしれないのに、いったい何を考えてるの?」
なにを考えているか。
ええと。
「これが終わったら、なに食べようかなあ、とか、そんな感じです。たいしたことは企んでません!」

 
いや、あなた十分たいしたタマだと思います。
 

お局様の目が吊り上ってきた。あたしは、あわてた。
「スイマセン!」
とにかく、平謝りだ。
「あたしが、悪かったんだと思います!」

 
そうですね。”あたし” と、”が” の間に ”頭” の一文字が抜けてますが。
そういえばこれはリアルで部下に言われた事あったな…我ながらよく生かして帰したものだ。
 
 
性質の悪い事に、コイツは懲りるという言葉を知りません。
前回台車で失敗したので次は靴底にローラーを仕込んできやがりましたですよ。
休憩中の移動時間短縮で浮かれてます。
 

嬉しくてあたしは、平行移動しながらマカロンの歌を唄っていた。
「マーカ、ロンロン!」

 
正直吹いた。危うく西から昇ったお日様が東へ沈むとこだった。
 
その後も、親友と飲みに行って「アダルトなショットバー(笑)」 でプリンパフェ頼むとか
特にしたい事はないけど30歳までに結婚して『わらぶき退社』*1宣言とか
泥酔して親友のコートのフードにリバースとか
もう3歳児並のやりたい放題。
 
で、その親友はバカ もといデパガの部屋に泊まらせろと要求しますがデパガは断固拒否。
表向きの理由は、貧乏アパートだから。
結局そのアパートの外観のあまりのみすぼらしさに親友はそそくさと退散するのですが…
 

からからと下宿屋っぽい音がする戸を開く
「ただいまぁ」
声を発すると音声探知機があたしの存在を感知。声紋による本人確認が自動的に行われ、
奥の第二玄関である、鉄の扉がウィームと開いた。
「おかえりなさいませ、お嬢さま」
奥から現れたのは、メイドだ。

 
なんと「そんな彼女の普段の顔(笑)」 このデバカはセレブ(笑)だったのです。どんだけぇ〜

2階建ての汚い下宿を改造して、エレベーターにジャグジーペルシャ絨毯なのです。
2ヶ月分の電気代は47万円だそうです。
水槽にはアロワナが入ってます。例えそれが太刀魚と区別がつかなくても、セレブって務まるんですね。
なんでも「自立した大人の女性(笑)」 で「自分磨き(笑)」 の為に会社勤めをしているっぽい。どうみても真性スイーツ(笑)です。ほんとうにあr(ry
小説を読んでて登場人物に殺意が湧いたのは「アマミリサコ」さん、あなたで3人目です。おめでとう。やっと名前覚えたよ。
 
 
既に30回くらいクビになっていないのが不思議なくらいですが、ようやっとここで先日の件のペナルティが課せられます。
休日出勤で ”想像を絶する肉体労働” を課す、だって。ざまぁwww
 
そんなこんなで、男性新人アイドルデュオがデビュー曲のキャンペーンに来るのでアクリル板の特設ステージを設置、その演出として使うダミーのプリンを作れ、ってどこがどう肉体労働なんだかさっぱり解りません。
現場作業を指示するイケメンのカイト君曰く
 

「ふたりが唄いながらダンスするとね、床の下のプリンも一緒に、ふるふる、って揺れるワケ」

 
必要なプリンは一万個。キャンペーンは明日。人員は1名。
え?それって1個あたりにかけられる時間は…あーもう計算するのめんどくせーやあはははは
 
アマミリサコは速攻でカイト君に惚れてしまいます。
しかしこのカイト君。明らかにコイツのスイーツ(笑)っぷりを侮ってます。
 

「チェリーとか飾りたかったら、売り場のヤツ、持ってきちゃってもいいよォ」
「いいんですかぁ?」
あたしは目を輝かせた。
「うん、あとで清算出来るように、使ったもののメモを取っといてくれれば」
「なんでも使っていいんですか?」
「常識の範囲内であればね」
きみは常識ありそうだから。と、カイトは微笑んだ。

 
カイト君、キミの目は防波堤にうち捨てられて三日経ったイワシの目よりも腐ってるよ…
 
彼が目を離すと早速やらかしてくれます。
粉末プリンを床にブチ撒き、大型扇風機で拡散、証拠隠滅の為新聞紙を床に敷いてまわる。
お湯を沸かすのにガスコンロの扱いを誤って敷いた新聞紙が炎上、消火器で消火、そこで非常ベル作動。
こんなに萌えないドジっ娘も珍しい。
 

「あたしの不注意です。スイッチ入れれば、すぐに点火するものだと思って、確認を怠っていました」
あたしは、何度も頭を下げた。

 
お局様に下げる頭は無くても、イケメンになら殊勝に頭を下げる。これぞスイーツ脳(笑)
カイト君も現場主任の割にはかなりいいかげんです。
 

「オッケ。わかった」
と明るい口調で言った。
「じゃあ作業、続けて」

 
カイト君には学習能力と危機管理能力いうものが全く備わっていないみたいです。
NEWラリーXのプレイ画面とタメ張るくらいフラグが立ちまくっているのに、その失敗フラグは一本たりとも彼の腐った目には入らないのです。
彼はこの第3類危険物を置き去りにして作業場を出て行ってしまいました。どうやら帰ってしまった模様。
これはいけません。鴨がネギしょって鍋ン中で醤油かぶって薪に火ィ付けて別皿にポン酢用意しておくようなものです。
 

目の前に、金だらいが、ふたつある。
中にはプリンミクスが、山盛り入っている。
これはもう、「たらいプリン」しかないでしょう。
あたしは、金だらいを直接、ガスコンロに載せ、水を注ぎながら粉を溶かすことを考えついた。

 
やはり思考が3歳児でした。もう彼女の頭の中には「1万個のプリンを作る」 という指示内容など欠片も残っておりません。ばーぶー。
 

うーん。
そうだ、次は「たらいクレームブリュレ」を作っちゃおう。
うひひひひ。
 
中略
 
「よし!」
あたしは、立ち上がった。
次のプリンは、本格的に作りたい。業務用のプリンミクスじゃなくて、ちゃんと新鮮な牛乳や卵、生クリームをたっぷり使うのだ。
さっそくあたしは、カイトに言われたことを思い出し、食料品売り場から、材料を拝借することにした。

 
思い出してません。全ッ然思い出してませんからアナタ。
彼女の「常識の範囲内」 は一般常識のそれを遥かに凌駕するシロモノでした。恐るべし。
しかも途中で疲れて昼寝して守衛に起こされるとか、冗談抜きで3歳児に思えてくるんですが。
そして守衛にまで惚れてしまうという。なんという「恋愛体質(笑)」。
 
そこでカイト君から作業進行度確認の電話が入ります。
 

−「何割くらいできたぁ?」
あたしは携帯電話を握り締め、
「8割くらいですかねぇ」

 
たらいプリンとはいえ、要請10000個に対して製作1個で8割ですか。
ファミリーベーシックもびっくりの演算能力ですね。
 
ここで何故か守衛が携帯電話をひったくります。
 

「もしもし?ザ・ガードマンです。ワハハ。彼女、一生懸命なコでね。実にけなげに頑張ってますよ」

 
だめだ。こいつも腐ってやがる…
 
この後は、たらいプリン・たらいクレームブリュレに飽き足らず「プールプリン」*2製作の野望を抱き、守衛をに嘘をついて作業場に無断で泊り込み、朝までかかって完成させます。
そのプールプリンに首まで浸かって
 

これは全部、あたしのものだ。
ひとりで、食べるのだ。
「キキィイー」
野鳥のような雄たけびをあげ、あたしは大きく開いた口ごと、プリンの中へ溺れて行った。

 
…ここで30分 外で頭冷やしました。
「よい妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる」
ソクラテスはこう言ったそうですが、男は、とうてい理解し難い異性を目の当たりにした時、哲学者になるのかも知れないな。
寒い中、野良猫と戯れながら生きとし生けるもの全てについて考えていると、ふとそんなフレーズが思い浮かびました。
閑話休題
 
 
翌朝7時に現れたカイト君、流石に慌てます。
 

彼は、「あー」と言いながら、額にてのひらをあて、あとずさった。
「なんで指示通りに、やってくれなかったんだよ!」
「すみませんでした!」
あたしは平謝りした。
指示。
そういえばそんなもんが、あったなぁ。
あったことは、思い出せる。だけど工程メモは、作業のはじめのボヤで燃えてしまった。
 
「しかも、なんだよこれーっ」
カイトは、あたしが製作に使用したモノのメモをひらひらとかざし、泣きそうな声で言う。
「かかった費用が、47万円って!おいおい、冗談じゃないぜ!」

 
冗談?いいえ、ケフィアです。
彼女の「自分らしさを演出(笑)」 の後始末はカイト君、あなたがするのです。
 
が、好事魔多し。もとい、御都合主義怖ろし。
カイト君の部下の作業員がたらいプリンとたらいクレームブリュレを絶賛。
これ使えね?いや、むしろこっちの方が面白くね?
などと、とち狂った事を言い出し、絶賛されるスイーツ(笑)脳。
 
でまあ、結局キャンペーンは大成功(笑)
アマミリサコの懲戒解雇を告げにきたお局様はカイト君にたぶらかされて、最終的には誰一人お咎め無し(笑)
ついでにハプニングでステージに上がってスイーツ(笑)っぷりを観客にご披露(笑)
 
ああ、ケツかゆい。
 
 
ラストは「がんばった自分へのご褒美(笑)」で連休を利用してニューヨークに行き、そこのスイーツショップで働く78歳のおばあさんと意気投合し、
 

一生、売り子でいられたら−。
それが許されるおばあさんに、なる。
あたしの目標が、決まった。

 
勘弁して下さい。とてつもなくはた迷惑な目標です。
 
夢は寝てからみて下さい。昼日中にばあさんと固い握手をかわしながらみるものではありません。
 
バカは休み休み言って下さい。バカの16連射は立派な犯罪です。「バカは1日1時間!」*3
 
あと、出来れば全ての販売業に従事する皆様に土下座で謝って下さい。それだけが私の望みです。*4
 
 
これがスイーツ(笑)脳への警鐘に…ほんの僅かでもなれば… ねーよwww
そんな事を考えつつ朝の検品作業をするべくダンボールをチェックしたところ、バールのようなもので頭を殴られたかの如き衝撃を受けた。
何故ならばダンボールには
 
 
「ガッシ!ボカッ!」 アタシは死んだ。スイーツ(笑)
 
 

*1:寿退社ね

*2:一応、家庭用のビニールプールサイズ

*3:高橋名人 b-yハドソン

*4:死亡フラグ inひぐらしのなく頃に