「処女はお姉さまに恋してる」2周遅れでプレイしてみた

mongkang2008-06-10

 
処女と書いて「おとめ」と読み、お姉さまと書いて「ボク」と読む。
2chネギ板で2005年ベストエロゲーの8位に輝いた本作。因みに5位は以前レビュー書いた「夜明け前より瑠璃色な」。
発売当初はこんな騒ぎになった事も。
 
処女はお姉さまに恋してる」はアキバで争奪戦?で、どこにも無かった
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/13242339.html
 
百合スキーを自称しつつ、春先に買ったままいつの間にか積みゲと化していた「おとぼく」。
プレイするきっかけになったのは、これ。
 
親父の部屋に1枚のDVD-Rが落ちてた
http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-275.html
 
親父の部屋に1枚のDVD-Rが落ちてた 完結
http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-277.html
 
割れ厨はあまり好きではないが、なんかいい家族だw
母ちゃんカッコよすぎ。
 
 

鏑木財閥の御曹司で、文武両道・天稟の才があるけどちょっと気の弱い男の子。
そんな瑞穂のもとへ、ある日顧問弁護士が訪れる。
 
『先だって亡くなられたお祖父様の遺言です』
 
そう言って渡されたのは、なんと女学院の入学案内。
幼なじみ・まりやの趣味で女装を強要させられたあげく、無理矢理転入させられた女学院では、なんの間違いか全校生徒の憧れの的『エルダー・シスター』に選出されてしまう。
突然嵐のように降って湧いた、お嬢さま学院での大騒動!!瑞穂は一体どうなってしまうのか…?!

 
 
なんというか、鬱とは無縁のほのぼの感あふれるお嬢様女子高物語。「マリア様がみてる」の設定の良い部分をリスペクトしている感じ。
主人公の瑞穂ちゃん(♂)が女装に戸惑い、また母性本能に目覚める度に苦悩する姿が笑える。
周囲に理解者が多いって、いい事だよね。例え女装であれなんであれ。
 
女装といえば、最近「女装子さん」をたまに店で見掛ける。
ジェンダー的な面に割と理解あるつもりの私は、おずおずと本の問い合わせをする姿を見て微笑ましい気持ちになるのだ。
閑話休題
 
 
で、泣きゲではないと思ってたんだが…ライターの文章力の高さに驚いた。
だが、一子が昇天するシーンで3回泣いたのは私だけでいい。
それにしても雰囲気と情景描写はかなりのもの。
パースが狂ってたり人物の正面絵以外の構図が微妙だったりと、とても残念な出来のグラフィックを補って余りある程に。
 
登場人物の心理描写は、ヒロインに関してはかなり深く掘り下げている上に伏線回収もきっちりで素晴らしいのだが、肝心の主人公・瑞穂ちゃんが何故、このヒロインに惹かれたのか についての記述が殆どないのだけが惜しい。
なので、好きなキャラの貴子・紫苑さんルートにしか感情移入出来ない…まあこの2ルート以外はぶっちゃけ伏線回収て事で。
瑞穂ちゃんには、なんで由佳里ちゃんに惚れたのかその理由を是非聞いてみたいものだ。
 
そういえば、既読スキップがないので気付かずに読み飛ばした文が結構あった。
システムとして今時これはどうなんだろう?
セーブ箇所も少ないし、絵を書き直せとまでは言わないがリニューアル版としてはちょっと手抜きではないかと感じた。
システムはオーガストを見習って欲しい。
 
音楽は良い。
OPだけはあまりこのゲームに合っているとは言い難いが、挿入歌「いとしいきもち」ED&挿入歌「さよならの囁き」は良曲。
盛り上がった場面で流れるのでつい文章スキップを外してしまう。
OP以外のボーカルがゆいにゃん榊原ゆい)だという事に気づいたのはプレイ後の事。
出来ればEDは挿入歌と別に作って欲しかったなあ。
 
 
纏めると、シナリオとBGMが良くて絵とシステムがダメ。
 
…これってサウンドノベルでよくね?
 
あ、ああ、これエロゲだったっけ。
でも、正直なとこHシーンなくてもいい。ふつーにアドベンチャーゲームとして面白い。
つぅか一部Hシーン飛ばした。
だって…エロ担当がロリ娘と幽霊と教師ってどうよ?
8人中この3人でHシーンの半分以上占めてるってどうなのよ!?
スポロガムのおまけじゃないんだからさあ、もっとこう、なんつーか、ねえ。
 
 
このゲームのキャラでツンデレ担当の厳島貴子さんなる方がおられます。
生徒会長で栗毛ワカメ頭のライバルキャラ。
 
この方のおかげでツンデレ属性が追加されてしまいそうです。
正確に言うとッンデレデレデレくらいの勢いな訳ですが…
主人公が男だと看破する前から意識しまくりで声は裏がえっちゃうわ、キスしただけで失神しちゃうわ、誘拐されそうになったところを危うく助けられて失神…これは普通か。
って、あなたどんだけお嬢様なんですかw
 

「わ、私……キ、キキキッ……キス……男の方と、キス………?!」

 
しっかしこの貴子さん役の声優の方は実に巧い。というかツンデレは嵌まり役? 「はぴねす!」の準にゃんもこの人だったんだよね。感情の起伏、特に心の動揺を声に現すのが凄く上手。
主人公を食ってしまっていると言っても過言ではないでしょう。
主人公役の声優さんは美智子さん役も兼ねており、こちらは私も納得お気に入りのキャラなので、やはり相性なのかな。
 
他ルートでもカッコイイ脇役だし。乙女だけど漢だよアンタ。
姉担当の紫苑さんばかりに気がいってしまっていただけに、属性付加に迫る勢いの貴子さんは思わぬ収穫でした。
 
 
さて、じゃ次は「はぴくり」*1やるか。
 

*1:シナリオ薄めでツンデレキャラはツン9割、デレ期間がゲーム中では4日間。色々と死亡フラグ